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ボジョレー・ヌーボーに対抗して同日解禁。一度は飲んでみたいビール『麦のワイン』

ボジョレー・ヌーボー解禁日に、ワイン並みの高アルコールを持ち、長期熟成が可能なビール2種が限定発売になる。“麦のワイン”とも呼ばれるビールとはどんなものなのか? さっそく紹介しよう。

麦のワインは10%と高アルコール

麦のワインは19世紀に寒冷でブドウ栽培が出来なかったイギリスが、フランスワインの人気に対抗して造ったビールと言われている。“ワイン”と名に付くようにビールでありながらワインに匹敵するアルコールを持ち、ワインのように年単位での長期熟成が可能。

当時は大麦麦芽を主原料とした“バーレイワイン(Barley Wine)” 1種類だったが、1980年代にアメリカで小麦麦芽を主原料にした“ウィートワイン(Wheat Wine)”が誕生。神奈川県厚木市の元祖地ビール屋・サンクトガーレンでは2006年より『バーレイワイン』を発売。2012年より『ウィートワイン』を追加した。

ともに原材料は通常ビールと同じ麦芽、ホップ、水、ビール酵母のみ。それを膨大な量使用し、極限までアルコールを高め、麦芽は通常の約3倍使用している。

さらに麦汁の濃度の高い部分だけを使っているため、サンクトガーレンの醸造システムでは通常1回の仕込みで約2,000Lのビールが造れるところ、麦のワインはその半分の1,000Lしか造れない。

麦の旨味が凝縮された、非常に濃厚で蜜のようにとろりとした口当たりが特徴だ。特に『ウィートワイン』の主原料である小麦麦芽は大麦麦芽よりもタンパク質が多いため、液の粘度が強くなり“とろみ”をより強く感じる味わいになっている。

ビールの苦味と香りの基になるホップは『ウィートワイン』で2.5倍、『バーレイワイン』では約7倍もの量を使用。そのため、『バーレイワイン』は通常のビールとは比較にならないほどの濃厚さとともに、華やかな香りと、重厚な苦味をあわせもっている。

“鮮度が命”の常識を覆す、古いほど価値が上がるビール

普通ビールは新鮮な出来たてのほうが喜ばれるが、麦のワインは逆。ビールファンの間では古いほど価値が高いとされている。そのため多めに購入して熟成させ、前年のものと飲み比べを楽しむ方や、結婚や出産の年の記念に購入し節目の年に楽しむという方も。熟成させると、ドライフルーツやカラメルが複雑に絡み合ったような甘味が強く出てくる。


サンクトガーレンの麦のワインはシャンパンと同じ瓶内2次発酵製法を採用。発酵の終了したビールから古いビール酵母を取り除き、新鮮なビール酵母と、糖分(麦汁)を添加して1本1本手作業で密封。 通常の瓶詰めは炭酸ガスでビールに圧力をかけて行いますが、麦のワインは炭酸ガスを使っていない。瓶に詰めたあと、酵母が活動しやすい温度(13度前後)で2週間程度保ち、このときの発酵活動によって自然発生する炭酸ガスをビールに溶け込ませている。栓を開ける瞬間まで発酵が続く、単なる酵母入りビールとは一線を画す、本当の生きているビールなのだ。

毎年、ボジョレー・ヌーボーに対抗して同日解禁

ボジョレー・ヌーボーの解禁は酒業界にとって大きなイベント。そこで『麦のワイン』は、ワインに対抗できるビールとして同日に発売される。今年の発売日は2022年11月17日(木)。ビール好きな方にぜひ一度は飲んでみてほしい。

■バーレイワイン(Barley Wine)大麦のワイン商品概要
【スタイル】Barley Wine/バーレイワイン(大麦のワイン)
【商品名】el Diablo 2022/エル ディアブロ2022(悪魔)
【主原料】大麦麦芽
【アルコール度数】10%
【内容量・希望小売価格】300mL 1,100円

■ウィートワイン(Wheat Wine)小麦のワイン商品概要
【スタイル】Wheat Wine/ウィートワイン(小麦のワイン)
【商品名】Un angel 2022/ウン アンヘル2022(天使)
【主原料】小麦麦芽
【アルコール度数】10%
【内容量・希望小売価格】300mL 1,100円

サンクトガーレン

構成・文/後藤麻衣

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